二重振り子
注意:これは claude-3.5-sonnet を使って作成したサンプルページです。
二重振り子は、単振り子を 2 つ連結した系で、非線形力学系の代表的な例です。初期条件のわずかな違いが大きな違いを生む「カオス」の性質を示します。
運動方程式の導出
二重振り子の運動方程式は、ラグランジュ方程式を用いて導出できます。
1. 座標系の設定
まず、以下のパラメータを定義します:
- θ1,θ2: それぞれの振り子の鉛直方向からの角度
- l1,l2: それぞれの振り子の長さ
- m1,m2: それぞれの振り子の質量
- g: 重力加速度
図1: 二重振り子
2. 運動エネルギーTの計算
第1質点と第 2 質点の位置座標は:
x1y1x2y2=l1sinθ1=l1cosθ1=l1sinθ1+l2sinθ2=l1cosθ1+l2cosθ2
これらを時間微分して速度を求めます。まず、第 1 質点の速度成分は:
x1˙y1˙=l1θ1˙cosθ1=−l1θ1˙sinθ1
第 2 質点の速度成分は:
x2˙y2˙=l1θ1˙cosθ1+l2θ2˙cosθ2=−l1θ1˙sinθ1−l2θ2˙sinθ2
これらの速度成分を用いて、運動エネルギーを計算します:
T=21m1(x1˙2+y1˙2)+21m2(x2˙2+y2˙2)=21m1l12θ1˙2+21m2[l12θ1˙2+l22θ2˙2+2l1l2θ1˙θ2˙cos(θ1−θ2)]
3. 位置エネルギーVの計算
重力による位置エネルギーは:
V=m1gl1cosθ1+m2g(l1cosθ1+l2cosθ2)
4. ラグランジアンLの計算
ラグランジアンは運動エネルギーと位置エネルギーの差で与えられます。具体的には:
L=T−V=21m1l12θ1˙2+21m2[l12θ1˙2+l22θ2˙2+2l1l2θ1˙θ2˙cos(θ1−θ2)]−[m1gl1cosθ1+m2g(l1cosθ1+l2cosθ2)]
5. ラグランジュ方程式の適用
ラグランジュ方程式:
dtd∂θi˙∂L−∂θi∂L=0(i=1,2)
これを具体的に計算します。まず、θ1について:
∂θ1˙∂Ldtd∂θ1˙∂L∂θ1∂L=(m1+m2)l12θ1˙+m2l1l2θ2˙cos(θ1−θ2)=(m1+m2)l12θ1¨+m2l1l2θ2¨cos(θ1−θ2)−m2l1l2θ2˙(θ1˙−θ2˙)sin(θ1−θ2)=−m2l1l2θ1˙θ2˙sin(θ1−θ2)−(m1+m2)gl1sinθ1
次に、θ2について:
∂θ2˙∂Ldtd∂θ2˙∂L∂θ2∂L=m2l22θ2˙+m2l1l2θ1˙cos(θ1−θ2)=m2l22θ2¨+m2l1l2θ1¨cos(θ1−θ2)−m2l1l2θ1˙(θ1˙−θ2˙)sin(θ1−θ2)=m2l1l2θ1˙θ2˙sin(θ1−θ2)−m2gl2sinθ2
これらの計算結果をラグランジュ方程式に代入し整理すると、最終的に以下の連立微分方程式が得られます:
(m1+m2)l12θ1¨+m2l1l2θ2¨cos(θ1−θ2)+m2l1l2θ2˙2sin(θ1−θ2)+(m1+m2)gl1sinθ1m2l22θ2¨+m2l1l2θ1¨cos(θ1−θ2)−m2l1l2θ1˙2sin(θ1−θ2)+m2gl2sinθ2=0=0
シミュレーション
以下のシミュレーションでは、この運動方程式を数値的に解いています。Runge-Kutta 法を用いて高精度な数値積分を行い、系の時間発展を計算しています。
カオス的振る舞い
二重振り子の特徴的な性質は、その運動がカオス的であることです。これは以下のような特徴として現れます:
-
初期条件敏感性
- わずかな初期条件の違いが、時間とともに大きく異なる運動を生み出す
- 長期的な運動の予測が実質的に不可能
-
非周期性
- 単振り子と異なり、周期的な運動にならない
- 複雑で予測不可能なパターンを示す
-
エネルギー分配
- 2 つの振り子の間でエネルギーが複雑に交換される
- 運動エネルギーと位置エネルギーが非線形に変化
まとめ
二重振り子は、単純な構造ながら複雑な振る舞いを示す典型的な非線形系です。このシミュレーションを通じて:
- カオス的な運動の特徴
- 非線形系の基本的な性質
- 初期条件敏感性の意味
- エネルギーの非線形的な振る舞い
について、直感的な理解を深めることができます。